猫と妖怪のまち

私が初めて「谷根千」を訪れたときの印象・・・それが「猫と妖怪のまち」だ。

柳が揺れうごめき、曲がり角をまがると新たな猫が現れる。猫カフェや、猫の顔をした扉・・・。

「妖怪」の印象を抱いたのは、このエリアに住み始めて初めて行ったおにぎりカフェで手にとった本が、たまたま、谷根千に住む妖怪図鑑だったからだと思う。7年前に行ったきりなので、詳しい内容は忘れてしまったが、「不忍池の河童」だったり柳の木に住む精霊だったり、谷根千のどこにどんな妖怪が住んでいるかを事細かく解説してくれる本であった。とにかく、その本を読んだ私の頭にはすぐさま「谷根千=猫と妖怪のまち」の図式がインプットされ、すっかりとりこになってしまった。

どことなく、「江戸の匂い」を感じられるのもこのまちの魅力である。例えば、根津はとにかく蕎麦屋が多い。私の住んでいるところからは、徒歩3分以内で、4店もの蕎麦屋に行きつくことができる。そしてお寺や神社もなんと多いことか。かの有名な根津神社をはじめ、本格的な座禅が体験できる全生庵、そのほか名も知らない(だが一度訪れると忘れられなかったり、独特の雰囲気がある)お寺が数多く点在する。

かと思えば、このエリアはとにかく珈琲ショップ(カフェ)が多い。私の一番のお気に入りは「谷中コーヒー」だが、そのほかにも有名な(?)カヤバ珈琲店や、珈琲館、Nezuカフェ、古本カフェ、HAGISO(これは珈琲店というよりもカフェに近い)などなど・・・おいしい珈琲が飲めてくつろげるカフェが星の数ほどある。

このエリアは森鴎外夏目漱石も住んでいたそうで、もしかすると彼らはインスピレーションをこのまちに潜む目に見えないものたちから得ていたのではないか、そんなノスタルジックな空想が湧き出てくるような、チャーミングな空気感をまとったまちなのである。

このブログを読んでくださっているあなたが、ふと仕事に疲れたとき、行き詰ったとき、気分転換したいとき、是非このエリアを訪れてみてください。きっと目に見えないものたちから、癒しとパワーをもらえるものと思います。

 

※第1回目の記事は、現在私が住んでいる谷根千エリアの紹介をさせていただきました。次稿は「結婚できない共働きカップル」をテーマに書きたいと思います。