結婚できない共働きカップル(イントロダクション)

人が結婚できない(しない)理由はさまざまだ。適当な相手が見当たらない、お金がない、結婚に夢を持っていない、自由が好き・・・など。

そんな中で、最近新たな理由のために結婚できない(しない)カップルが増えてきたような気がする。それはまさしく、「(男女ともに)名字を変えたくない」という理由からだ。 

「結婚するなら夫婦どちらかの姓に統一すること」、いわゆる「夫婦同氏性」は、明治31年民法として定められたものである。それ以前は男女ともに結婚後も実家の氏を名乗ることが一般的であったし、明治3年の太政官布告まで平民には氏の使用も許されていなかった。

ポイントは「夫婦どちらの姓」であって、「夫の姓」ではないということ。なのに、ビジネスオンラインジャーナル「President Online」によれば、今の日本は96%が結婚時に夫の姓を選択するという。

確かに、「寿退社」のような言葉がはやっていた一昔前であれば、それはそれで仕方がなかったのかもしれない。だってその時代は多くの女性が結婚とともに専業主婦となり、男性が大黒柱として一家を養うことが期待されていたから、手続きを考えても女性が男性の姓に合わせる方が負担が少ないし、何ていったって稼ぐのは男性なのだからやはり男性のほうが立場が強かった(?)のだと想像する。

でも今は、「専業主婦」ではなく「生涯共働き」の時代だ。女性だって働き続ける訳だから、結婚・離婚・再婚するたびに姓を変えるのは面倒くさいし、周囲に説明するのはもっと面倒くさい。

「会社では旧姓を使えば良いじゃないか」といったようなお気軽な発言もよく耳にする(この発言元のほとんどが男性だ。なら世の男たちよ、君が変えてくれ!と声を大にしていいたい・・・!)例え表面上旧姓を使いつづけられても、パスポートや運転免許書などの公的な身分証明書上はすべて名字を変えなければならないし、したがって病院などの場では否応なく夫の名字で呼ばれることになる。

そう、「夫婦同姓」の法律は、まさしく”シーラカンス”と化した一部の方々(主に年配の男性)によって支持されているにすぎないのであり、私(20代)を含む若者世代はすでにこの制度に疑問を持ち始めているのだ。

「夫婦同姓」を押し付けるこの制度に疑問を抱いている友人たちの間ではやっているのが、「事実婚」である。かくいう私自身も事実婚を支持し実行している人の1人だ。

次回のブログでは、事実婚のメリット・デメリットについて深堀りするとともに、テーマを広げて「跡継ぎ問題」についても考えてみたい。